【第1話】思えば、私は洗脳されていたのかもしれません
【第2話】辞めたいけど、やっぱり無理なのかな
【第3話】師長、私はもう限界です
【第4話】最大の試練、立ちはだかる師長という壁
【第5話】いざ転職、LINEでラクラクやりとり
【第6話】転職担当者さん、ナイスサポート
【第7話】初出勤、ポジションの土台作り
【最終話】快適な職場、あかりの成功の秘訣
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激務に耐えかねて、親に相談してみたが…
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『お父さん、お母さん』
『あのね、相談があるの』
『今の職場、きつすぎてつらい』
『言い訳はしたくないけど、さすがにブラックすぎると思うの』
『同期はどんどん辞めていくし』
『このままじゃ仕事ばっかりで何もできない』
『だからね、もう少し小さめの病院にいきたいの』
「そうか、つらかったな」
「同期はもうみんないないのか?」
『えっと、何人か残ってるけどけっこう辞めた』
「そうなんだ」
「でも、もったいないな、せっかくいい病院に就職できたのに」
「そうね、大変だと思うけど、辞めたらあんないいとこもう入れないかもよ」
「先輩もたくさんやめちゃったの?」
『うーん、結婚したりで辞めていく人もいるね』
「それなら、あかりも結婚までは頑張ってみたらどうだ?」
「そうよ、大手なんだからすぐにいい男つかまえられるって」
「もう少し慣れてくれば、きっと今より余裕でてくるんじゃない?」
「そうだな、今が踏ん張りどころだと思うぞ」
「ママも応援するから、もうちょっと頑張ってみようよ」
『うーん。でも・・・』
「な、たまには気晴らしに寿司でも食いにいくか」
「そうしましょ、大トロいっぱい食べよっ」
「えっ…まあ今日は特別だぞ」
そんな感じで、
意を決して両親に相談してみましたが、
うまく流されてしまいました。
辞めたい、辞めたいんだけど、
『ああああもう限界なのよおおおおお!!!!』
って、両親の前で泣き崩れるほどではない。
それに、辞めたらもったいないのは一理ある。
それはわかってる。
しかも、ただでさえ職場きついのに、
私がいま抜けたらすっごい迷惑かかっちゃう。
まわりが辞めていく中、
一緒に頑張ってきた数少ない同期や、
新人のころから可愛がってくれていた先輩に、
こんな形で迷惑はかけたくない。
まだ全然みんなに恩返しできてない。
やっぱり、辞められないよなあ。
ていうか、あの人もこの人も辞めたいって言ってて、
でも今すぐ抜けると回らないからって、辞める順番待ちをしてる状態。
そんな中で私が先に辞めるわけにもいかない。
そんなこと、できない。
せっかく大きい病院入ったし、
給料も安泰だし、
続けたほうがいいのはわかってる。
もうちょっと、頑張ってみるしかないのかな。
なかなか思い切った決断をすることができなくて、
今日もまた、
いつ終わるかわからない業務に追われ、
心を無にして、
遅くまで残業するのでした。
というか仕事が多すぎる。
まだまだ若いけど、
それでもさすがにきついくらい。
時間さえあれば、
もっと患者さんの話ちゃんと聞いてあげたいし、
あの患者さんの髪の毛も洗ってあげたかったなあ。
ほんとは患者さんの言葉を無視するようなことしたくない。
でも、いちいち付き合ってたら何時に帰れるかわからない。
丁寧な対応なんてまず無理。
夜も鳴り止まないナースコール。
不穏な患者さんの対応。
あー!点滴のルート抜いちゃってるー!
血だらけー!ちょっと誰かヘルプ!
だめだ向こうも忙しいみたい!
自分だけでなんとかするしかない!
はーい、どうしました○○さん。
え、トイレ?いやいや、何回目?
ぜったい出ないでしょ。
わかったわかった、じゃあ行こう、早く済ませてくださいね。
はいはい、なんでしょうか。
え?用事ないの?
あのね、用がないなら夜中に呼ばないでね。
私たちけっこう忙しいんだからさ。
あー、ストレスたまる。
ストレスたまりすぎて性格がきつくなっていくのを感じる。
この程度のことでイライラしちゃうなんて、私らしくない。
ほんとは優しくしたいのに。
きつい言葉なんて投げかけたくないのに。
そして、あるときふと気付いた。
あれ、私の顔、なんか怖いかも。
え、やだ。
いつも怒りっぱなしの、あの先輩にそっくりかも。
ストレスフルだと、
心が汚れてだんだん性格がきつくなる。
自分が自分じゃないみたい。
ああ。
自分が壊れていく。
いやだ、こんな自分大嫌い。
病院にはちらほら、
鬼が憑依したようなナースがいます。
言葉遣いや対応がきつくて、
見ていてほんとに不快でした。
怒られている患者や後輩を見ていると、
なんだか自分の心臓がギュッとなるんですよね。
あれは本当に嫌なものです。
ですが、
そんな鬼ナースに、
今度は自分がなろうとしている。
そんな自分がとにかく嫌でした。
ああいうふうにはなりたくない。
絶対に。
忙しすぎる。
どんどんストレスがたまる。
心も体も汚れて濁っていく。
そんなある日、
思いもよらぬ悲劇が襲いかかりました。
母が病気になりました。
肺ガンでした。
頭が真っ白になりました。
もう、無理。
ついに、
精神的にも、
肉体的にも、
限界を超えてしまいました。
そうして私は、
師長に退職の意志を伝える
決意をしました。
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